発砲酒の値上げは、どこまでされるのか調べてみました
2020/11/022021/06/01
コロナ禍で家飲みが増え、スーパーやコンビニでお酒を買う機会が増えたという方も多いと思いますが、最近、お買い物に行くと「お酒の値上がり前に、買い溜めをおススメします!」というようなポップを見かけませんか?
2020年10月~、酒税法の税率改正があり、一部のお酒が値上げされます。
酒税とは、酒類に課せられる税金のことで、お酒の種類によって税率が違います。
ここでは、我らが庶民の味方、発泡酒の値上げについて調べてみたいと思います。
発泡酒を日々の晩酌のお供にされている方も多いのではないでしょうか。
少しの値上げも毎日の積み重ねとなると、お財布に響きますよね。
発泡酒の値上げはどこまでされるのか、詳しく見ていきましょう。
ビール系飲料の種類について整理します
まず、最初にビール系飲料の種類について整理したいと思います。
私たちがビール売り場で見かけるお酒には、大きく分けて3種類あります。
・ビール
・発泡酒
・新ジャンル
これらは、原材料に占める麦芽の使用割合や副原料の使用割合などで分類されます。
銘柄のパッケージで見分けることは簡単ですが、飲んだだけではわかりにくいものもあり、「ビールと思って飲んだら発泡酒だった」というような経験がある方もおありなのではないでしょうか。
これら3種類のお酒は、それぞれ酒税額が違っています。この酒税の違いによって販売価格に差が出るという訳です。
<2019年9月現在の酒税額(以降全て350mlあたり)>
・ビール →77.00円
・発泡酒(麦芽比率25%未満) →46.99円
・第三のビール(新ジャンル) →28.00円
酒税って、普段はあまり意識することはありませんが、こうやって改めて見てみると、例えばビール1缶350mlの価格が220円(税込)としたら、なんと、価格の約3分の1は酒税なんですね!
日本は、ドイツやアメリカなどの諸外国と比較してビール税率は高い方だそうです。
3缶飲んだら1缶は税金。それが変わるとなると…スルーできませんね。
今回の酒税法の税率改正は、2020年10月から始まり、2023年10月、2026年の10月と、段階的に3回実施されます。
2023年10月以降は、現在の「発泡酒」と「第3のビール」のビール系飲料が「発泡酒」に統一。さらに、2026年10月には、「ビール」、「発泡酒」、「第3のビール」の区分がなくなり、「発泡性酒類」で統一され、同じ税率が適用されます(チューハイ等は除く)。
つまり、財務省の目論見としては、最終的にはこの3種類の飲料の税率を統一化したいということのようです。
発砲酒の値上げはいくら?
では、今回、発泡酒の税額は具体的にどうなるのでしょうか。
実は、同じ発泡酒でも麦芽の使用割合によってさらに税率が区分されていて、麦芽比率25%以上50%未満のものと、麦芽比率25%未満の発泡酒で異なります。
ここでは、一般的な麦芽比率25%未満の発泡酒について説明します。
・実施前酒税額…46.99円
↓
・2020年10月実施後…46.99円
見ての通り、変更ありません!2023年10月も同様です!!
しかし、ホッと胸を撫でおろすのは少し早いのです…
その理由は…次でご説明しますね。
今後はどうなるの?
酒税改正は、3段階で実施されると書きました。
実施前税額46.99円の発泡酒の、今後の税額です。
・2020年10月実施後…46.99円
↓
・2023年10月実施後…46.99円
↓
・2026年10月実施後…54.25円
見ての通り、3段階目の2026年10月にグッと上がるのです!
税率だけを見る限りでは、2026年まで発泡酒は買い溜めたりする必要はなさそうですが、他の2種ビール飲料には税率に動きがあるので、注意しなければいけません。
便乗値上げはどう?
今回の酒税改正の最終目的は、ビール系飲料3種類の税率を統一することにあるらしい…と最初に書きました。
…となると、今まで高かったものは下げ、今まで安かったものは上げる必要があります。
今回、税率が上がるのは第3のビール(新ジャンル)、下がるのはビールです。
これによって、市場価格はどうなるのでしょうか。
キリン、アサヒ、サッポロ、サントリーの大手ビール4社も主な対象ブランドの価格改定を発表しましたが、希望小売価格の設定がないため、いくらになるかは明示されていません。
メーカーや卸し、小売店は、減税分をそのまま差し引いて安く販売するのかこないのか。
現状としては、便乗値上げも便乗値下げもあるかもしれない…ということのようです。
ビールのほうがお得?
他のビール系飲料の一つ、ビールについて見てみましょう。
ビールは今回の酒税改正で税率が下がります。
・実施前酒税額…77.00円
↓
・2020年10月実施後…70.00円
このように、7円安くなります!
例えば、1ケース350ml24本入りだと168円。1ケース500ml24本入りだと、240円。
一ヶ月200円くらいと考えると、年間2,000円。
今回の改正でのお得感という点でいえば、発泡酒よりビールですね。
まとめ
キリンビール発表の2020年度上半期決算は、6.5%減少。
コロナの影響で飲食店でのビール需要が減ったことが原因ですが、家庭での需要は逆に増えており、これだけの減少で留まったとも言えます。
今回の酒税法改正では、消費者が今までビールを選ぶときに、特に種別を意識することなく何となく選んでいたものを、見直す機会になるかもしれません。
皆さんも、今までより少しだけ意識をされてみてはいかがでしょうか。
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