【初心者向け】eBay海外発送の方法をやさしく解説|おすすめの配送サービスと選び方
2025/10/14
海外向けに商品を販売できるeBay。しかし、初めて利用する場合、海外へ商品を発送するのは難しそうに感じるかもしれません。たしかに国際配送には通関書類や送料設定、追跡・補償、関税対応など注意すべき点が多いのは事実です。
しかしいくつかのポイントを押さえれば、安心して世界中に商品を届けることができます。本記事では、eBayで海外発送を行う方法について、初心者向けに丁寧に解説します。海外発送の基本知識から、利用できる主な配送サービスなどを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
eBayとは?
eBayは1995年にアメリカで設立され、現在190か国以上に展開する巨大マーケットプレイスです。世界中に約1億3,400万人(2025年第一四半期時点)のバイヤーが利用しており、日本からも出品して海外へ販売できます。たとえるなら「国際版メルカリ」のような存在といえるでしょう。
世界中で使われているがゆえに、eBayのサイト表示は基本的に英語で、決済通貨も米ドルなど外国通貨になります。そのため利用するハードルが高いと感じる人もいるかもしれませんが、近年は多くの日本人セラーも参入しています。
海外発送をする際に知っておきたいこと

海外配送は国内発送とは勝手が違う部分がいくつかあります。事前に以下のポイントを押さえておきましょう。
通関書類の準備が必要
海外に商品を発送する際には、荷物の内容品や価値を詳細に記載したインボイス(商業送り状)を必ず添付しなければなりません。インボイスは日本での輸出通関および相手国での輸入通関に必要な書類で、品名・金額・数量・発送人/受取人情報などを正確に記載します。
これらを正しく細かく記載することが、スムーズな税関手続きのためには欠かせません。記載不備があると税関で荷物が止められ、配送の遅延や返送されてしまう原因になります。
最近は「eBay SpeedPAK」など主要な配送業者で電子インボイス対応が進んでおり、オンラインで通関情報を事前提出できる場合もあるため、活用するのもおすすめです。
配送方法ごとに追跡や補償が違う
追跡や補償の有無、内容がサービスによって違うので要確認
海外へ商品を送れる配送サービスはいくつかありますが、サービスによって追跡番号の発行の有無や、その追跡の詳細度が異なります。たとえば日本郵便の「小形包装物」には追跡番号の発行がない(※)一方、EMSやDHL・FedExなどのクーリエ便では詳細な追跡情報が提供されます。信頼性の高い追跡情報はバイヤーの安心感につながるため、可能な限り追跡ありの方法を選ぶのがおすすめです。
また、万が一荷物が紛失・破損した場合の補償もサービスにより異なります。日本郵便のEMSには一定の損害賠償制度(保険)が標準付帯されますが、通常の国際小包や小形包装物ではオプション扱いです。
DHLやFedExなど民間クーリエ便も補償が手厚いですが、利用条件によって補償限度額が変わる場合があります。発送前に各サービスの補償内容を確認しましょう。
※記録が必要な場合は、書留のオプションサービスを利用可。ただし、小形包装物の書留扱いは、2025年12月31日をもって終了予定。
参考:小形包装物 日本郵便
発送できない商品がある
電池類、アルコール類、香水などの可燃性の液体、スプレー缶、火薬類や高圧ガスといった危険物、毒物、麻薬類、生きた動物などは、航空危険物や各国共通の禁制品として基本的に発送できません。
ワシントン条約で規制されている象牙などの希少品、偽ブランド品やわいせつ物も世界共通で禁止されています。さらに、アメリカは食品や医薬品の輸入規制が厳しいなど、送り先の国ごとに独自の輸入規制品もあります。
あわせてeBayの出品禁止物にも該当しないか注意が必要です。また、配送業者ごとに「発送不可品リスト」が定められており、これも事前に確認が必要です。
まとめると、発送したい商品が以下に該当しないかどうかを事前に確認するようにしましょう。
- 国際的な禁制品
- 各国の禁制品
- eBayの出品禁止物
- 配送業者の発送不可品リスト
配送日数は国や方法で大きく異なる
国際発送の配送日数は、送り先の国と選択した配送サービスにより大きく変わります。日本郵便のEMSでアジア近隣なら数日~1週間程度、遠方の国や船便などの発送方法を選ぶと2週間以上かかることもあります。
バイヤーにとって、配送にかかる日数は重要な情報です。eBayの出品時に到着予定日を設定できますが、自分でも商品説明に「発送後〇日程度でお届け予定」と目安を書いておくと親切です。
関税の支払い方法を理解する(DDUとDDP)
関税の支払い方法には、「DDU」と「DDP」という2種類があります。それぞれの違いを理解して選択するようにしましょう。
DDU(買う人が払う方式)
買い手(バイヤー)が受取時に関税等を支払う方式です。従来、eBayを含む多くの国際取引ではこのDDUが標準でした。商品到着時に配送業者からバイヤーへ関税請求が行われます。
売り手にとって追加コストを負担しなくて済む利点がありますが、バイヤーにとっては思わぬ出費となるため、不満や受取拒否につながるリスクがあります。
DDP(売る人が払う方式)
売り手(セラー)が事前に関税や輸入税込みで発送する方式です。あらかじめ商品の価格に関税相当額を上乗せしたり、配送時にセラー側で関税支払い手続きを行ったりします。
バイヤーは追加支払いなしで商品を受け取れるため安心して購入でき、トラブルも少ない方式です。その代わりセラー側は関税計算や価格設定がやや複雑になり、関税分も含めた価格設定によっては商品価格が割高になるデメリットもあります。
こうした関税の支払い方法については、2025年に大きな環境変化が起きています。詳しくは次で解説します。
2025年に変わった「デミニミス」ルールとは?

これまでアメリカでは「800ドル以下の商品には関税がかからない」という仕組み(デミニミスルール)があり、比較的安価な商品であれば追加費用なしで受け取れるのが一般的でした。
ところが2025年8月29日午前0時1分(米国東部時間)以降に通関するすべての貨物について、この制度は廃止され、金額に関わらず関税や輸入税がかかるようになったのです。つまり、今後は日用品のような低価格の商品であっても課税対象になります。
この変更によって「誰が関税を払うのか?」が非常に重要になりました。受け取り時に買い手が支払う方式(DDU)か、あらかじめ売り手が関税を負担して価格に含める方式(DDP)かを明確にする必要があるのです。
制度変更を受け、eBayもDDPを推奨するようになりました。eBay公式サービス「SpeedPAK」は、価格や配送方法にもよりますが、DDPのみしか受け付けない区分もあります。
さらに日本郵便は、この制度変更の影響で2025年8月27日以降、アメリカ宛ての小形包装物・小包・EMS(物品)の販売品発送を一時停止しています。当面は再開の目処が立っていないため、アメリカ向けに販売する場合はeBay公式のSpeedPAKや民間のクーリエ便を利用する必要があります。
各サービスの対応は日々変化しているため、実際に発送する前に最新の情報を必ず確認しましょう。
DDUとDDP、どちらを選ぶべき?
eBayがDDPを推奨していることもあり、初心者の方にはDDPがおすすめです。最初から関税込み価格で出品しておけば、バイヤーとのトラブルが少なく、継続的に取引しやすくなるでしょう。
ただしDDPにする場合、商品価格に関税や手数料分を上乗せする必要があるため、販売価格設定時にあらかじめ考慮しておきましょう。商品カテゴリによりますが、関税・手数料の合計は、商品価格の約15〜18%となる可能性があります。
一方、DDUを選ぶ場合は、バイヤーに到着時の支払い負担があることを十分説明し、理解を得る必要があります。万一バイヤーが関税支払いを拒否したり受取を拒否した際、セラー側の責任・負担が増すリスクがあります。
eBayの海外発送に利用できる主な配送サービス

ここでは、eBay出品時によく利用される代表的な配送方法・サービスの特徴をまとめました。それぞれメリット・デメリットがあるため、商品サイズや送り先に合わせて選びましょう。
eBay公式サービス「SpeedPAK」
eBay公式パートナーであるOrange Connex社(OC社)が提供する国際配送サービスです。「SpeedPAK – Ship via FedEx」「Ship via DHL」「Ship via FedEx @ International Connect Plus」「SpeedPAK Economy」のプランが用意されており、専用サイト「CPaSS」で利用登録して発送します。
最大の特徴はDDP発送に対応していることです。特にアメリカ向けは2025年よりDDPが基本となっており、SpeedPAKでは関税込みで発送できるため、バイヤーに追加費用が発生しません。これにより「商品未着・関税トラブル」のリスクを大幅に下げ、バイヤー体験を向上させる効果が期待できます。
また、SpeedPAKはOrange Connex社調べで「他社大手クーリエより10%以上送料削減できる」お得な料金設定となっており、小型・軽量な荷物の海外発送に適しています。たとえばアメリカ向け5kg以下の荷物なら、同等のFedEx直契約より安価になるケースもあります。
日本郵便(国際郵便:EMS・小形包装物など)
日本郵便が提供するEMS(国際スピード郵便)や小形包装物は、郵便局から手軽に利用できる公的な海外配送サービスです。契約不要で誰でも利用できるため、海外発送が初めての方にも使いやすいのが利点です。
EMSは30kgまでの荷物を世界120以上の国・地域に届けられます。料金は重量制で、小さく軽い荷物ほど割安です。一方、大きく重い荷物では料金が高くなる場合があります。
ただし注意点として、2025年8月以降のデミニミスルールの撤廃により、日本郵便はアメリカ向けの小形包装物・小包・EMS発送を一時停止しています。販売目的の荷物は当面受け付け停止となっており、再開時期は未定です。そのため、アメリカ向けは後述の民間クーリエやeBay公式サービス(SpeedPAK等)を利用する必要があります。
最新情報は日本郵便の公式お知らせページを確認してください。
参考:米国関税及び規制変更に伴う米国宛て郵便物の一時引受停止について(日本郵便)
クーリエ(DHL、FedEx、UPSなど)
DHLやFedEx、UPSといった民間の国際宅配便(クーリエ)は、配送の速さが最大の特徴です。通関手続きも迅速なため、早ければ海外へ2~3日で荷物が届くこともあります。追跡情報も詳細でリアルタイム性が高く、バイヤーにも正確な配送状況を知らせられます。
また、クーリエ各社は社内に通関士を擁しており、輸出入の通関手続きを代行してくれる利点もあります。セラー自身が税関に申告書類を提出する手間が不要で、複雑な関税処理をプロに任せられる安心感があります。
一方で、クーリエ便は速さと引き換えに料金が高額です。60サイズ程度の小さな荷物でもアメリカまで1万円前後の送料がかかる場合があります。さらに荷物の容積重量(サイズを重量に換算した値)で課金されるため、大きな箱だとかさばる分だけ料金も上がります。
ヤマト運輸
国内で宅急便に慣れている方には馴染みがあり、集荷依頼も日本のヤマトに電話やWebでできるため安心感があります。発送後の問い合わせ対応なども国内のヤマト経由でできるメリットがあります。
一方で、ヤマトの国際宅急便は提携先のUPSネットワークを使って世界各国へ配送しますが、利用できない国や地域も多い点に注意が必要です。2025年時点で、中国・インド・カナダ・メキシコ・ブラジルなどへの個人荷物はヤマトでは取り扱い不可となっています。
事前にヤマト運輸のHPで、配送可能な国か確認しましょう。
発送方法 | コストの目安 | 配送スピード | 追跡・補償 | 関税の扱い |
SpeedPAK(eBay公式) | 比較的安い(小型・軽量向け) | 速め~中(1~12日) | 追跡あり/補償あり | DDP対応(関税込みで発送可) |
日本郵便(EMS・小形包装物) | 安め | 中〜やや遅め(1〜3週間) | 追跡あり/補償は限定的 | DDUが基本 |
クーリエ(DHL、 FedEx、 UPS) | 高め | とても速い(数日〜1週間) | 追跡あり/補償あり | DDP対応可能 |
ヤマト運輸 | 中程度 | 中〜速め | 追跡あり/補償あり | DDUが基本 |
初心者におすすめのeBay海外発送の方法は?
初心者がeBayで海外発送を始めるなら、まずはSpeedPAKを利用するのが安心です。eBay公式のサービスで信頼性が高く、関税込み(DDP)で発送できるため、バイヤーが追加費用を心配せずに受け取れる点が大きなメリットです。特に小さな商品の場合はコストも抑えられるので、初めての方でも取り組みやすいでしょう。
一方で、高額商品を送る場合や配送スピードを重視したい場合には、DHLやFedEx、UPSといったクーリエ便の利用も検討する価値があります。料金は高めですが、配送が早く追跡や補償も充実しているため、安心感があります。
なお、日本郵便は2025年8月以降、アメリカ宛の販売品発送を一時停止中です。そのため、アメリカ向けに商品を発送する際は、SpeedPAKや民間クーリエを選択する必要がある点に注意してください。
eBayをはじめるなら出品代行サービスの活用も検討を!
出品代行とは、商品の出品作業を代理で行ってくれるサービスのことです。売りたい商品を出品代行業者に預けるだけで、あとの出品に関わる一連の作業(撮影・商品説明作成・価格設定・在庫管理・発送対応・顧客対応など)をすべてプロに任せることができます。
eBayへの出品なら「神戸オークション」

数ある出品代行サービスの中でもおすすめなのが「神戸オークション」です。神戸オークションは、ヤフオクを中心とした出品代行サービスを提供していますが、eBayへの出品にも対応しています。落札率98%・代行実績10万件以上と、業界の中でも最高レベルの実績を保有。撮影から発送までを一括して代行し、初めての方でも安心して利用できるサポート体制が整っています。
神戸オークションの最大の特徴は、ヤフオクとメルカリに同時出品が可能なことです。出品代行を依頼すると、最初の1週間はヤフオクへ商品が出品されます。この1週間の間に商品が売れなかった場合、2週目からヤフオクとメルカリに同時出品される仕組みです。
ヤフオクとメルカリに同時出品されることで、単純に売れ行きが2倍になります。個人ではなかなか売れなかった商品が、神戸オークションを利用することで売れる確率があがります。
一方注意点としては、2025年3月現在、eBay出品はあくまでテスト段階でありすべての商品が必ずeBayに出品されるわけではない点があげられます。また、「この商品をeBayに出してほしい」という出品依頼は現在受け付けていません。
eBayへの出品対象となるのは以下の商品です。
・初回出品から1週間経過した商品
・ブランドバッグ、財布、時計
・フィギュア、プラモデル、ミニカー、鉄道模型、ドール
・ゲーム機、ヴィンテージおもちゃ
・デジカメ、デジタル一眼、フィルムカメラ(カメラレンズは対象外)
eBayへの出品代行手数料は、「代行手数料+販売先手数料」です。具体的には下記の代行手数料に、eBayの販売先手数料17%を足した額になります。
■代行手数料
販売価格(税込み) | 代行手数料 |
300,000円~ | 10% |
100,000円~ | 22% |
20,000円~ | 37% |
3,000円~ | 48% |
1,500円~ | 1490円 |
※1499円以下の場合、一律10円返金となります。
eBayの販売手数料はYahoo!オークションより高いため、Yahoo!オークションで売れた場合の代行手数料より「10%」高くなりますが、手数料以上に高い価格で出品しているため、eBayで売れた場合、お客様の受取額も多くなる予定です。
※eBayの出品ページで表示されている販売価格(USドル)を、その時のレートで円換算された価格を税込み販売価格とさせていただきます。eBay手数料には、eBay手数料・為替手数料・為替リスクなどを考慮し設定いたしております。
※あくまでテスト出品のため、テスト終了後に上記内容が変更となる場合があります。(2025年3月現在)
詳しくはこちらをご参照ください。
まとめ
eBayでの海外発送は、通関書類の準備や関税対応、配送サービスの選択など注意点が多いですが、ポイントを押さえれば安心して取り組めます。
初めてeBayを利用する場合は、eBay公式のSpeedPAKを活用し、追跡や補償のある配送方法を選ぶことで、トラブルを防ぎながら安全かつ効率的に世界中のバイヤーに商品を届けることができるでしょう。
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